あいさつ
子どもたちと教職員のウェルビーイングの実現をめざして
岩手県小学校長会
会長 前川 岳詩
今年度、岩手県小学校長会長を務めさせていただきます前川岳詩と申します。
どうぞよろしくお願いします。
さて、これまで、私たち校長は、東日本大震災やコロナ渦等、幾多の困難に直面しながらも、互いの英知を結集し、その課題解決に主体的に取り組み、多くの成果を上げてきましたが、一方で、教職員の人材育成、働き方改革、教員不足、生徒指導対応等、現在、多くの教育課題に直面しております。さらに、今年度からは、国の第4期教育振興計画の策定を受け、新たな岩手県教育振興基本計画がスタートしました。また、中教審では、教職員の処遇改善や教員採用、教育課程等に係る議論も進み、日本の教育は、大変大きな変革期を迎えております。
こうした状況下、私たち校長に求められることは、変化する時代の潮流や山積する課題に下を向くのではなく、不易と流行を見極め、校長が率先して学校を元気にし、子どもたちも教職員も、一人一人が生き生きと過ごせる学校づくりに力を尽くすことであると考えます。
教育活動を最前線で担う教職員自身のウェルビーイングを高め、一人一人の教職員が、自らの職務に働きがいや生きがい、幸福感を感じながら、心身ともに元気に教育活動に臨めるような職場づくりが大切になっています。
そのような学校経営を推進するために、校長として、また本会会員として、大事にしたいことを三点挙げます。
一つは、私たち自身が、自ら学び続ける校長であり、互いに学び合える校長会でありたいということです。教職員のリーダーとして、教育に関する動向を的確にとらえ、最新の情報を得たり、他校の実践から積極的に学び合ったりする姿勢が、私たち校長に求められています。そのためにも、校長会が持つ、学び合いの機能を最大限に生かしていきたいと思います。
二つ目は、「つながり」です。私たちの職務は、日々、判断と決断の連続であり、悩みも迷いも多くありますが、苦しい時こそ、前を向いて笑顔で教職員の前に立つ校長でありたいものです。悩みや困り感を共有し、語り合う場が校長会にはあります。校長職の元気を生む「つながり」を大事にしたいと思います。
三つ目は、教職員の人材育成です。現在の教師不足は、我が国の未来をも左右しかねない懸念があります。また、本県独自の課題でもある復興教育への意識の低下も心配されます。私たち校長には、持続可能な岩手の教育をつくり、発展させていくために、危機感をもって一人一人の職員をしっかりと育てていく責任があります。
現在メジャーリーガーとして活躍する菊池雄星選手が、「岩手には人という花をきれいに咲かせる土壌がある」と語ったことがあります。私たち校長は、その人づくりを担う小学校教育の最高責任者であることに使命感と誇りをもち、諸先輩方が脈々と築かれた本県の教育と校長会の伝統を大事にしながら、全ての子の幸せ実現をめざし、岩手の教育の更なる充実と発展に向け、全力で職務に向かうことをここに確認し合いたいと思います。
多くの皆様のご支援とご協力をお願いいたします。